夫の学生時代、数学科は、民青が多かったそうだ。
秋葉広島市長は、先輩だそうだ。
「今の秋葉広島市長は、民青だよ、そういう顔をしてるじゃないか。駒場寮はいろいろなのに別れていて、歴研とか、民青とか、いろいろいたけれど、汚いし、汗臭いし、見に行ったけど、入れてくれなかった。話してみて、サラリーマン志向の人は、入れない。だけど、結局機動隊が入ったでしょ。今は壊されちゃったけど」
駒場の間は自宅から、二時間かけて通っていたそうだ。
本郷に移ってから、運動部の部室に寝泊りするようになったらしい。
アパートを借りたのは、修士になってからだそうだ。
運動部の部室にいたころの話を、友人が、結婚式でばらしてしまった。みんなでやったことだから、うちの夫だけが悪いわけではないのだけれども。
夜中に、生協の冷蔵庫のダイヤル錠の鍵をあけて、ハムを盗み、焼いて食べたとか。
学生のやんちゃとも思えば思えないこともないけれども、母は、すごく恥ずかしかったと言っていた。
このせいだろうか、夫は、夜中に料理をして食べる習慣がある。
二人目の子供が生まれたころ、車を買った。
休日に、車でスーパーにいき、いろいろ買いだめしておく。
近所に、落第横丁というのがあって、そこには、八百屋さんと肉屋さんがあったが、魚屋さんはなかった。
だから、魚を食べたいときは、スーパーにいくか、近くの魚屋さんから配達してもらうしかなかった。
ところが、夫は、夜中に料理を始める。
お酒を飲むと、料理がしたくなるらしい。
結婚して最初に夫が、夜中に、料理を始めたとき、びっくりした。
たしか、ラーメンスープにコリアンダーというスパイスをいれ、そばを入れるというような料理だった。
私が眠るころ、私は、翌朝仕事だから、夜眠らないと困る。
夫は、大学で、しかも数学だから、毎朝、毎日でなくてもいい。
それで、昼夜逆転することもあり、夜中に、ふんふん楽しそうに、料理を始めて、冷蔵庫にあるものを、すべて使ってしまう。
とても困った。
ねぎ一本ないと困る、ということもあるわけだし。
たとえば、私が作った鍋料理がおいしいと、かってに増量する。
おでんなども増量されてしまう。
しかし、夫の作ったものは、まずくて食べられない。
寸胴なべなどの大きななべいっぱいに、わけのわからないものを作って、いつまでも、なべを占領してしまう。
なべに入れた時点で、眠くなって寝たりしてしまう。
10年位前は、大なべ一杯分が腐り、可燃ごみになるわけで、捨てるのに本当に困った。
夫にごみ出しを頼んでいたが、エレベーターにごみの汁がたれているという苦情があって、おそらくうちだろうと目をつけられて困った。
可燃ごみを出すとき、大量の生ごみは重たくて、水分を含んでいる。
可燃ごみの日は、週2回だけ。
それまでは、ベランダに保存するけれども、ためてしまうこともある。
上の階の人が、覗き込んでゴミ袋の数を数えたそうだ。
年末年始も、大変だった。
東京にいたころは、ごみ用の部屋があって、いつでもごみだしできたが、今の自宅は、ごみの日の朝、指定の場所に出さなくてはならない。
だから、さあ、今日は出すぞというとき、誰もいないのを見計らって、二人で、早朝に大急ぎで出したりした。
自分の料理を食べれば?といっても、私が作ると、それを食べるわけだから、どんどん残るわけで。
日常生活まで、糖尿病っぽい生活。
昼間から、大きなゴキブリが、台所に出没している我が家だった。
今は、買いだめしないようにしているし、大きななべは、しまっているが、それでもやめない。
冷蔵庫には、小さななべやボウルが4つくらい入っていたりする。
机の下で腐っているよりはましだけれども。
今、一番困るのは、小さななべで、てんぷらをして、油がガスレンジにこぼれて、その後燃えてしまうこと。
3つ口のうちの一つのガスレンジの着火部分が、燃え尽きて、火がつかなくなってしまった。
せっかく、西ドイツ製のガラストップの、すごくすてきなガスレンジにしたのに、本当に困る。
このガスレンジは、掃除が楽で、熱効率もよくすごく便利。
ずっといつまでも使えるはずだったのに。
チャッカマンなどでつければ、つくけれども、まったく使えなくなったらとても困る。